最近の検察審査事例


罪名  特別公務員暴行陵辱致死 岡山
被疑事実の要旨
岡山刑務所の刑務官らが、刑務所内において、被疑者を公務執行妨害罪で現行犯逮捕するにあたり、共謀の上、同人を故意に押し倒し、さらにその上にのしかかるなどの暴行を加え、よって、そのころ、同所において、同人を胸腹部圧迫による胸郭運動の障害により窒息死させ、もって、警察の職務を補助するもの(又は、法令により拘禁されたものを看守する者)がその職務を行うに当り、暴行を加え、死亡させたもの。
議決の要旨 平13.4.26 (不起訴不当)
1. 被疑者らは、被害者を宿直室に連行し、うつぶせにしたままの状態で畳の上に横たわらせ、押さえつけるなどして十数分間にわたり被疑者を制圧しつづけたこと、
2. 被疑者らのうち、被害者の左手首をつかんで引っ張っていただけの者および被害者の足を押さえつけていたにすぎない者については、被害者の上半身を押さえつけていた他の被疑者らと同じ責任を負わせることは酷であるとの感は否めないが、それぞれ暗黙のうちに、共同して制圧することについて意思の連絡があったと見るべきであり、他の被疑者らと同じ責任を問われても仕方がないものと考えられること、
3. 被疑者の抵抗は、当初の約3分で収まっていたものと推測されること、
以上からすれば、犯罪の嫌疑がないとして本件を不起訴処分にした検察官の裁定には納得できないので、不起訴不当と判断する。
事後措置
平14.2.13 (不起訴維持)

罪名  商法違反 仙台
被疑事実の要旨
地元銀行の業務全般を統括していた取締役ら12名が、共謀して、同銀行の子会社4社に対し、22回にわたり合計1,027億624万円を貸し付ける際、十分な担保をとらずに融資を実行すれば、同銀行に損害を与えることを知りながら、融資を実行したことにより、同銀行に対し、前記融資金額相当の損害を与えたもの、
議決の要旨 平13.4.26 (不起訴不当)
1. 被疑者らは、融資先会社の返済能力や過去の実績を考慮して融資が可能かどうかの判断をしていない、
2. 返済能力のない会社に融資を続ける行為は、自己の任務に背き、会社に不利益をもたらす行為であり、融資を受ける会社の利益を図る行為である、
3. 経営責任者としての判断ミスにより、会社に損害を与えたことに対し、被疑者らは責任をとるべきである。
事後措置
平13.9.25 (不起訴維持)

罪名  詐欺 広島
被疑事実の要旨
寝具販売を営む会社の経営者ら3名が共謀し、モニター料を支払えば経営が破綻すると知りながら、被害者らに対し、布団を購入してモニターになれば、購入代金を上回るモニター料を受け取ることができると虚偽の勧誘をし、約40万円という高額の布団を購入させると同時に信販会社と立替払契約を結ばせ、立替金をだましとったもの。
議決の要旨 平13.10.30 (不起訴不当)
会社経営初期の時点で、被疑者らに詐欺の意思があったと認めることは、関係各証拠等から判断して困難ではあるが、少なくとも会社を立ち上げた年の終わりごろには、会員比率の推移及び売り上げ並びに資金の運用及び被疑者らが受領した報酬などからすると、会社倒産の危機的状況がうかかえ、経営の建て直しはほとんど無理だといっても過言ではない状況にあり、被疑者らが近い将来会社が倒産することを強く意識して犯意を抱いたとしても不思議ではなく、また、そう見るのが一般の市民感情に合致しているものと思える。現に、返済不能な多額の債務を負って間もなく会社は倒産している。
また、本件と類似の事業で有罪になっている例があることを考えると、このまま事件を終了させることには違和感がある。
この種類似の犯罪があとを絶たないことを憂え、犯罪抑止の意味も含め、再考の上、再捜査を望むものである。

公用文書毀棄 奈良
被疑事実の要旨
氏名不詳の被疑者が生駒三郷町役場の福祉課で管理保管している平成6〜8年度に作成又は取得された公文書などの保存期間内に廃棄し、持って公務所の用に供する文書を毀棄したもの。
議決の要旨 平13.7.11 (不起訴不当)
申立人らが三郷町福祉課が管理していた公文書の開示請求をしたとき、同町は[まだ整理ができていない]との理由で開示請求を却下しておきながら、却下処分に異議申し立てがあった後、同町情報公開及び個人情報保護審査会の審議を経た答申の結果、当該文書が廃棄されていたことが判明したものであり、同町が意図的に情報を隠蔽したとの疑問を抱いても当然とかんがえられる。同町の文書管理のずさんさを見直すためにも、本件を機会に調べ直して、責任を明らかにすべきである。

罪名  名誉毀損 千葉
被疑事実の要旨
議決の要旨 平13.4.26 (不起訴不当)
事後措置
平14.2.13 (不起訴維持)

罪名  商法違反 仙台
被疑事実の要旨
議決の要旨 平13.4.26 (不起訴不当)
事後措置
平14.2.13 (不起訴維持)

罪名  商法違反 仙台
被疑事実の要旨
議決の要旨 平13.4.26 (不起訴不当)
事後措置
平14.2.13 (不起訴維持)